【GARMIN eTrex Touch 25J インプレ中編】高性能モデルと比べると足りないところはあるものの、実用性は高い | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【GARMIN eTrex Touch 25J インプレ中編】高性能モデルと比べると足りないところはあるものの、実用性は高い

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ナビ中のコンパス画面は目的地を目指す矢印が出現するのでどっちに向かったらいいかの迷いがない
  • ナビ中のコンパス画面は目的地を目指す矢印が出現するのでどっちに向かったらいいかの迷いがない
  • 目的地を設定。1.7km先だ。地図は2本指で簡単に拡大・縮小ができる
  • 右のeTrex Touch 25Jが一般道をナビしているのに対し、Oregon 750TJはハイキングコースを認識している
  • 目的地に到着。実行データは保存して、帰宅してからパソコンに取り込むことができる
  • 登山道やトレイルは破線で表示される
  • クルマが通れる未舗装路はグレーの実線で、舗装路は白と区別されて表示されるようだ
  • 里山歩きでもナビとして十分に活用できる。登山時は山岳地図と併用したい
  • 目的地までの距離が分かるのはハイカーや登山者にとってこの上ない安心感になる
ガーミン社製ハンディGPSの中でも定評のeTrex(イートレックス)シリーズに、フルカラータッチパネルモデルの「eTrex Touch(イートレックスタッチ)25J」が新登場した。ハイキングやサイクリングのみならず、都市部での道案内や簡単なカーナビとしても使える。

◆インストールされている地図に物足りなさも

インストールされている地図は国土地理院の承認を取って作成された10m(最大5m)等高線入りの日本詳細地形図2500/25000だ。1/2500(一部1/25000)の高精密な国土地理院刊行「数値地図(国土基本情報)」をもとに、登山やハイキングに不可欠な地形図情報に加えて市街地でも十分に使える詳細道路情報を収録している。

ハンディGPSのフラッグシップモデルであるOregon(オレゴン)750TJに標準装備されている日本登山地形図(TOPO10MPlus)V3は搭載されていないので、別売となる。昭文社が整備した「山と高原地図」をベースにしたこのGPS用マップは本格的な登山をする人にとっては所要時間を推測するなどでとても役立つ。それではこの日本登山地形図がインストールされていないeTrex Touch 25Jのデメリットはなにか? 簡単にいえば登山ルートをナビしてくれないだけで、手元にある地図として目的地を目指して歩くことはできる。

◆高性能モデルとeTrex Touch 25Jを使い比べてみた

実際にOregon 750TJとeTrex Touch 25Jの2台を持って里山歩きをしてみた。目的地設定は1.5kmほど離れた標高140mほどの山頂。そこにいたるルートの前半は、一般道や徒歩でしか上れない道などがいくつかあった。歩き始めてみると、日本登山地形図内蔵のOregon 750TJは見事にトレイルをナビしたが、eTrex Touch 25Jはかなり迂回したクルマの通れる道を案内した。それでもルートがハイキングコースのみになると、どちらもそれを選択。勝手知ったる里山だけに問題はなかったが、結果としてはクルマの通る舗装路を歩かされるのはちょっと興ざめだなと思った。本格的な山岳登山をするようになったらmicroSD版日本登山地形図(税別1万7000円)を買い足して機能性を高めることもできるのがeTrex Touch 25Jの使い道か。

この両者の比較はOregon 750TJインプレ記事で紹介済みで、そのときは「さすがOregon、スゴい!」と絶賛したが、後日eTrex Touch 25Jを単独で同じコースを歩いてみて、実はeTrex Touch 25Jのスゴいところも発見してしまった。

裏山歩きは時として民家の軒先や私有地となるルートを「歩かせていただく」こともある。しかしハンディGPSのナビは基本的に一般的なルートを案内し、私有地など地元の人しか通らないようなルートは表示しない。だから2台持ちで最初に歩いたときはどちらも私有地を通らないコースをナビしてくれた。それでも勝手知ったる道であり、地権者にお目にかかれば「こんにちは」とあいさつして通らせてもらうモラルは身につけているつもりなので、ナビを逸脱して私有地に足を運んだ。2台のナビはちょっと面食らったようだが、この日はこうして目的地にたどり着いた。

数日後にeTrex Touch 25Jの記事に使用する写真を撮るために、同じ目的地を改めてナビ設定して歩いてみた。そうすると前回のような舗装路や一般的なハイキングコースはナビせず、最も効率的な私有地ルートをナビが誘導する。前回ログは保存しておいたが、今回はそれを呼び戻して同じルートを案内させたわけではない。ナビが学習機能を発揮してくれたのだろうか。

◆三測位対応と3軸電子コンパス

GPS機能はいわゆる米国GPSだけでなく、ロシア版GPSである「GLONASS」、日本の準天頂衛星「みちびき」を合わせた三測位対応だ。準天頂衛星のみちびきは可能な限り日本の上空に位置しているので、専門用語で「高仰角」からの電波発信ができる。山やビルなどに反射して電波が受信機に到達する時間が乱れる「マルチパス」が起きにくく、ハンディGPSの高精度測位をサポートする。

スマホの道路ナビアプリの場合はGPS対応携帯であってもケータイキャリアの基地局(アンテナ)からの電波を併用して現在位置を特定する。アンテナが多い都市部ではスマホナビでいいのだが、谷あいやアンテナがない山岳部で登山やハイキングをする場合は誤差が大きかったり、アプリそのものを動かす電波が受信できずに作動しなかったりというケースが多い。上位機種と同じ性能のGPSを内蔵するeTrex Touch 25Jはそれも強みだ。

斜めに持ったときでも正確な方角を示す3軸電子コンパスがあるのもeTrex Touch 25Jの特徴。先代モデルのeTrex 20xJにはなかった機能だからだ。eTrex 30xJにはすでに搭載されていたが、今回のeTrex Touch 25Jと35Jの同時発売時に25Jだけが機能アップした部分である。電子コンパスは、出発するときや休憩したあとで「どっちに歩いていったらいいか」を把握するのにとても役立つ。ナビ中はゴールの方向を指す矢印も表示されるので、どちらを目指せばいいのかが瞬時に分かるのがいい。
《山口和幸@レスポンス》
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