【山口和幸の茶輪記】サイクリングがもっと気軽にできる時代に…遠出には宅配便を利用 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】サイクリングがもっと気軽にできる時代に…遠出には宅配便を利用

オピニオン コラム
【山口和幸の茶輪記】サイクリングがもっと気軽にできる時代に…遠出には宅配便を利用
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  • これが輪行箱。手前がハニカムコア樹脂製のコーワBTBプロ
  • 夜行フェリーで伊豆大島を目指すのも楽しい
  • 輪行は前後の車輪を外す。鉄道会社の規定では両輪を外さないとサイズとして持ち込めない
  • 東海汽船の伊豆大島行きは午前5時に到着するので、まる1日サイクリングできるのがうれしい
  • 温泉で汗を流したあとは一緒に走った地元の人に見送られて帰路へ
交通量の少ないところにスポーツバイクを持っていって気持ちよくサイクリングしたい。たとえば電車や船にそのまま自転車を持ち込んだり、貨物便で送ってしまい手ぶらで現地に向かったり…。そんな夢のような時代になりつつある。

クルマを所有しない人が遠隔地でサイクリングをしようと思ったとき、自転車の輸送手段としてはいくつかある。電車なら布製の輪行袋。飛行機ならバイクバッグ。船はそのまま積めたりする(別料金はかかる)。あるいは専用の段ボール箱などを使って宅配してしまうことだ。

ボクの場合は自転車を段ボール箱に入れて宅配便で送ってしまう。自転車専門誌の『輪行ムック』を2刊連続で編集したボクだが、やはり輪行は重いし大変だし、個人的には遠慮したい。だからハニカムコア樹脂製の専用箱を愛用している。念には念を入れてオーストリッチ製のソフトケースにフレームを収納し、両輪やサドル部分(サドルを取り外さないと箱に入らない)を空いた隙間に入れる。ここまですれば無傷で配送できる。フロアポンプなども箱の隅に入れて送ってしまうことも簡単。

これが輪行箱。手前がハニカムコア樹脂製のコーワBTBプロ

段ボールやプラスチックでできた輪行箱は、「3片の長さが240cm」になるようにその大きさが設定されていて、いわゆる240寸サイズを最大限利用した料金で取り扱ってもらえる。一般的な宅配便は160cm以内のものしか扱えないので、「240寸サイズ」を受け入れてくれる貨物便の取り扱いとなる。ヤマト運輸なら「ヤマト便」、佐川急便なら「飛脚ラージサイズパッケージ」だ。

先日の伊豆大島取材の時は自宅のある神奈川県鎌倉市から送ったが、料金は片道2160円。50万円の運送保険をかけたのでその保険料が別に500円かかった。自宅から輪行した場合、最寄り駅までタクシーで片道1000円ほどかかるし、重い自転車を担いだり、ラッシュアワーを回避して日程を組むなんていう憂うつなことから解放してくれる。

今回は初めてヤマト便を利用したが、「コンテナの底辺が1m四方なので縦積みじゃないと取り扱えない」と言われた。梱包したままの状態で配送してくれるものだと思っていたので、これは想定外だった。そのため収納状態を再調整し、壊れやすいリアディレイラーが縦積みされた際に上に来るように「天地」を指示した。

伊豆大島取材は「御神火(ごじんか)スカイライン開通記念・伊豆大島復興・三原山ヒルクライム2016」に参加するため。およそ100人のサイクリストが無料招待され、東海汽船の大型船に自転車を持ち込んでいた。主催者からの案内で「自転車は輪行してください」とのことだったので、ほとんどの参加者は輪行。別料金で自転車をそのまま持ち込む人はわずかだった。

東海汽船の伊豆大島行きは午前5時に到着するので、まる1日サイクリングできるのがうれしい

客船ターミナルで輪行し、それを船内の指定した場所まで担ぎ上げる。楽しいサイクリング旅行なのでだれも文句を言わないが、女性たちはさわやかな季節というのに額に玉のような汗をかいていた。それを見て、「自転車をそのまま持ち込めるようになれば女性参加者は一気に増えるだろうな」と感じた。

大島観光協会の白井岩仁会長によれば、「船内にそのまま自転車が持ち込めるように東海汽船に要望を提出中」という。しかも優先搭乗などがあればもっといいだろう。それが実現すれば伊豆大島でサイクリングする人が倍増するのではと思う。
《山口和幸》

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