ツアー・ダウンアンダーを取材して…自転車ロードレースは選手と観客の距離が近いと実感 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ツアー・ダウンアンダーを取材して…自転車ロードレースは選手と観客の距離が近いと実感

オピニオン コラム
ツアー・ダウンアンダー2016
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毎年1月にオーストラリアで開幕される自転車ロードレースのツアー・ダウンアンダーを取材して2年目。そこから見えてきたのは競技の面白さだった。

オーストラリア大陸の中でももっとも乾燥している南オーストラリア州の州都アデレード近辺がレースの舞台。1999年からツアー・ダウンアンダーは始まり、南半球最大のUCI(国際自転車競技連合)ワールドツアーレースとなっている。

日本との時差は2時間ほどのオーストラリアだが、季節が逆になるため北半球で冬を過ごしている選手たちがシーズン最初のレースをスタートさせるにはよい気候になっている。


オーストラリアで開幕される自転車ロードレース、ツアー・ダウンアンダー

私自身、サイクリングの経験は数年しかないし、どちらかというとスポーツは観戦よりも自分がするほうが好きだったために、自転車ロードレースにはまったく興味がなかった。縁あってツアー・ダウンアンダーの取材を始めたのが2015年。初取材時はカメラのシャッターを切るのが精いっぱいで、チームや選手のことを知るところまではいかなかった。

先輩カメラマンが不安そうな私を見て「一緒について回ればいいよ」と声をかけてくれた。それで気持ちが和らいだのを今でもよく覚えている。あれから一年、取材を含めいくつかのスポーツを撮影したが、一番面白いのが自転車ロードレースだ。理由はふたつある。

●その1 選手と観客、環境の3つがほどよく調和されている
自然の中で行われているレースで、しかも選手と観客の距離がとても近い。世界トップで活躍している選手たちを目の前で見ることができる。

近くにいるという物理的な距離だけではなく、選手たちの喜びや悲しみなど気持ちもくみ取ることができる。これだけ選手と近い競技があるだろうか。

本場ヨーロッパや他国のレースは取材経験はないが、他のレースと比べてもツアー・ダウンアンダーは選手と観客の距離が近いそうだ。一年の最初のレースということで選手たちもまだ気持ちがリラックスしていることや、オーストラリアの国民性も選手がさらに近く感じる理由だろう。


自転車ロードレースは選手と観客の距離が近い

選手村や選手の宿泊先周辺を歩いていると、選手と遭遇することもよくある。普段は先住民のアボリジニとの間に感じる距離間もあるが、ツアー・ダウンアンダーではそれが一気に縮まる。チームプレゼンテーション前で彼らが民族音楽や舞踊を披露。私たちは選手たちだけでなく、アボリジニとの距離も近いことを体感することができる。

その2 南オーストラリアという環境
南オーストラリアは州都アデレードからヒルズ・ビーチへ行くにも距離が近い。コース会場は毎日変わるが移動が非常に楽だ。また空と地面、木々の緑の色がほどなく調和されている。風景写真が好きな私にとって、写真を撮るのにも自然をバックグラウンドにした自転車ロードレースは面白い。

イメージカラーはオレンジのツアー・ダウンアンダー。これは「土の褐色」を意味しているそうだ。各ステージで選ばれる総合成績のリーダーが表彰式でそでを通すオレンジ色のジャージにはそんな理由があった。オレンジ色のリーダージャージを受け取ることは、オーストラリアで勝利を得た証なのだ。

ツアー・ダウンアンダーは選手との距離の近さを感じるほかに、自然との融合を感じさせるビッグイベントなのである。
《Photographer Asami SAKURA》

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