日本のマラソン大会が海外から評価される理由とは…アールビーズ社長が語る | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

日本のマラソン大会が海外から評価される理由とは…アールビーズ社長が語る

オピニオン ボイス
アールビーズ記者説明会(2015年11月30日)
  • アールビーズ記者説明会(2015年11月30日)
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ランニングポータルサイト「ランネット」を運営するアールビーズ。橋本治朗社長は11月30日、現在の日本のランニング市場の状況など踏まえた今後の会社の方針を説明した。

●マラソン市場の拡大

東京マラソン以来10年、マラソン市場規模の拡大は続いています。岡山、金沢、埼玉などの地方都市で行われる大会への参加者数も増加しています。旧来のマラソン大会の開催数自体も増え続け、大会が各地で沸き起こっている状況です」

橋本社長はマラソン市場が拡大していることを説明し、マラソン大会市場の競争が激化してきたと続ける。

「県庁所在地で行われるような大会は宣伝力、大会に対する力の入れようも強く、参加者が増えていますが、前年度割れ、もしくは前年度と同数程度の参加者数しか確保できない大会も実は増えています。二極化とまではいきませんが、一部の大会への人気が偏る傾向が出てきています。ここ数年なかった現象です」

●市場が拡大すれば供給が増加する

「大きな大会が目立つ一方、スモールな規模の大会が増えています。東京だけでも500大会、全国規模だと800~900大会くらい開催されています。参加者数は200~1000人くらいでしょうか。平均はまだ出せていませんが、仮に300人程度だとするとスモール大会だけでも述べ20数万人が走っている計算になります」

●海外からも日本のマラソン大会に対する関心は高い

「東京マラソン以降日本のランニング業界が目立つようになってきました。海外からも日本のマラソンに対する関心が高まっています。先日台湾に行ったのですが、日本の大会に関する注目度は確実に高まっています。日本のマラソン大会に参加するツアーも開催されています。台湾では距離測定、運営方法などマラソンの基本的な水準が不十分な部分があります。台湾に限らず国際水準のマラソン大会が数多く開催されている日本は特にアジアの中で高い関心があるようです」

●今後の対応策

「今後、スモール大会に対応すべく地域拠点を増やそうと考えています。現在は6拠点ですが、来年までには全国で20拠点を目指します。スモール大会は小さいながらもニーズがあると考えているので、十分に対応したいです」

「IT機能をさらに強化させます。さまざまな機能開発は今まで外注していたが追いつかない。自社内で開発部隊を持ちます」

「小~中くらいの大会ではグローバル対応することがなかなか難しいですが、外国語対応のエントリーサイトを立ち上げをはじめとして、通訳など、主催者と一緒になりながら受け入れを整理したいと考えています」

※ ※ ※

マラソンブームは未だ根強い。むしろ、より強固なものに変わりつつある。大会数が増加しただけではない。数字を追い求めるランナーだけを対象とするのではなく、女性ランナーを中心に狙うなど、多様性を帯びた大会も出てきている。大会に参加へのハードルは低くなり、モチベーションも高まりやすくなっている。

さらにランニングをサポートするウェアラブル端末も数多く登場した。IT技術を駆使し、ランニングの質をより高めようとするランナーを見かけることも当たり前の光景となった。

マラソン市場の裾野が広がる一方で、大会運営側には何らかの対応策の施行が必要とされているのは当然と言えるのかもしれない。
《大日方航》

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