「Apple Music」導入方法&使い方を徹底解説! | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

「Apple Music」導入方法&使い方を徹底解説!

新着 技術
iPhoneやiOS、iTunesを入れたMac/Winで楽しめる「Apple Music」
  • iPhoneやiOS、iTunesを入れたMac/Winで楽しめる「Apple Music」
  • ストリーミング再生の画面。洗練されたUIが特徴
  • 料金は個人メンバーシップが980円/月、1,480円/月
  • レコメンドの初期設定。赤いサークル状のアイコンをタップして好きなジャンルやアーティストを選ぶ
  • iPhone、iPad、iTunesは一つのiCloudアカウントに紐付けておくことで同期ができる
  • iTunesをアップデートしていなければ、アプリケーションを立ち上げると更新のお知らせが表示される
  • 「New」のメニューには新着タイトルやプレイリストの情報がまとめられている
  • ハート型のアイコンをタップすると「For You」のアルゴリズムが、ユーザーの好みのタイトルとして認識する
 アップルの定額制音楽配信サービス「Apple Music」が全世界100カ国で日本時間の7月1日にスタートした。当日は忙しくてまだ試していないという方も、ひと段落したこの週末からぜひ始めてみてはいかがだろうか。今回は簡単に始められるApple Musicの導入方法と使いこなし方を紹介しよう。

■気になる料金や楽曲数は!?

 Apple Musicは、米アップルが新しく立ち上げた、毎月の定額利用料金で音楽コンテンツが“聴き放題”で楽しめるストリーミングサービスだ。対応機器は最新のiOS 8.4を搭載するiPhone/iPad/iPod touch、並びにMac/Winの音楽管理アプリケーション「iTunes」の最新バージョンである「12.2」となる。Android端末やApple TVでは今年の秋から対応を予定している。

 配信される楽曲数は3,000万曲を揃えているようだが、このうち日本国内で利用できるのは「数百万曲」まで。現在iTunes Storeで販売されている楽曲がすべてApple Musicでも聴けるようになったわけではなく、Apple Musicのラインナップとはかなりの差がある。

 Apple Musicのサービス利用は「メンバーシップ」と呼ばれる有料会員登録制になっており、個人向けのプランとファミリー向けプランの2種類に分かれている。月額の利用料金は個人メンバーシップが980円、1契約を最大6人のメンバーでシェアできるファミリーメンバーシップが1,480円。なお、インターネットラジオの「Radio」などApple Musicに含まれる一部機能は無料でも使える。

■まずはアップデートが必要!

 それではApple Musicをスタートするための準備を進めていこう。iPhoneなどiOSデバイスの場合はOSのアップデート、Mac/WinなどPCユーザーはiTunesのバージョンアップが必要だ。

 iOSデバイスではOSを最新バージョンの「iOS 8.4」に更新しよう。アップデート方法は従来通りで、「設定」>「一般」>ソフトウェアアップデートと辿りながら、最新版をダウンロードしてインストールする。

 更新にかかる時間はアップルのサーバーや自宅のネットワーク回線のトラフィック状況にもよるが、アップデートファイルのサイズが213MBとそれほど大きくないので、およそ5~20分前後でダウンロードとインストールは完了するだろう。

 インストールが済んだらiOSデバイスを再起動する。起動後の画面に大きな変化はないが、一点「ミュージック」アプリのアイコンが変わっていることに気が付くと思う。従来の赤白のロゴデザインが刷新され、白地にレインボーカラーのアイコンになっている。

 「写真」アプリのアイコンと並べると、何となく統一されたデザインが気持ち良く感じられる。Apple Musicのサービスはリニューアルされた「ミュージック」アプリに統合されているので、別途「Apple Music」アプリが追加されるわけではない。

■PCの場合はiTunesを最新バージョンに

 PCの場合はiTunesを最新バージョンに更新する。既にiTunesを立ち上げると更新のお知らせが表示されると思うが、万一の場合はアップルのホームページからダウンロードして更新することもできる。

 「ミュージック」アプリをタップして起動すると「3ヶ月トライアルメンバーシップ」のアナウンスが表示され、個人メンバーシップとファミリーメンバーシップのどちらにするを選ぶ。無料期間が1ヶ月だと何となく短い気もするが、幸い3ヶ月もあるので、その間にApple Musicの手応えを各自検討できるだろう。

 続いてApple Musicの特徴としてアップルが掲げている「レコメンド機能」を活用するための初期設定を行う。「ミュージック」アプリが独自のアルゴリズム解析によって、ユーザーが使い込むほど、手持ちの音源やお気に入りの登録内容、楽曲の再生履歴などからユーザーの音楽の趣味を学習して、ユーザーが好んで聴きそうな楽曲をレコメンドしてくれるというものだ。

 この初期設定では音楽ジャンルやアーティストの好みを覚え込ませていくのだが、なかなか自分の好きなアーティストが画面に表示されないことが多いので、こちらのステップは省略して先に進んでも構わない。

 以上でセッティングは終了。Apple Musicの画面が立ち上がる。

■5つのメニュータブで構成。レコメンド機能「For You」とは?

 Apple Musicのメインメニューは画面の下側のエリアに並ぶ5つのアイコンに割り振られている。一番左側の「For You」はレコメンド機能の中核。セットアップの時に登録したジャンルやアーティストをもとに、ユーザーが好きそうなアーティストや音楽ジャンルのプレイリスト、楽曲などをレコメンドしてくれる。

 Apple Musicを使いながら、気に入った曲やプレイリストの画面で「ハート」マークのアイコンをタップするとお気に入り(=ラブ)として登録。「チェック」のマークをタップすると「マイミュージック」に登録されるが、これもレコメンドの評価対象になる。

 筆者の場合、使い始めのころは「For You」の中に自分の好きなアーティストが全然なくてガッカリしたが、使い込むうちに的を射た選曲がどんどん増えてくるので楽しくなってきた。

■新着曲や注目作品の「New」。豊富なプレイリストも

 「New」のタブの中には新着の楽曲や注目作品などが並んでいる。ちなみにApple Musicのおすすめプレイリストは全音楽ジャンルごとに集められた「専門のエキスパート」が編集しているものばかりだという。

 「New」のメニュー内にある「APPLE MUSIC EDITOR」に入ると、J-POPやエレクトロニック、クラシックなど音楽ジャンルごとにおすすめの楽曲やプレイリストが並ぶ。

 それぞれをみていくと、確かにただ機械的に集められた楽曲という感じではなく、スパイスが効いていたり、そのジャンルやアーティストのことを知っている人がちゃんと編集しているプレイリストだなという手応えがある。

 「はじめての~」シリーズのプレイリストは特に面白い試みで、知らなかったアーティストや音楽ジャンルを聞いてみたくなってくる。CDショップにある“店頭POP”のような感覚だ。

■ネットラジオ機能「Radio」は流し聴きで

 インターネットラジオ機能の「Radio」には、Zane LoweをはじめとするDJの選曲を集めた「Beats 1」以外にも、「トゥデイズ J-POP」や「洋楽ヒットチャート」などの「ステーション」が並んでいる。

 特にお目当てのアーティストの音楽が聴きたいわけでなく、流し聴きしながら仕事をしたいという使い方にはぴったりだ。今のところステーションの数がまだ少なく、徐々に拡充されることを待ちたい。

■アーティストとつながる「Connect」

 「Connect」はApple Musicに楽曲を提供するアーティストとファンのコミュニケーションスペースだ。ミュージシャンが製作途中の曲やバックステージ動画を投稿して、ユーザーがコメントなどのフィードバックを返して盛り上がれるという試み。

 新人アーティストなどが上手に使いこなせば、ここからビッグヒットが生まれる可能性もある。いかんせんまだ始まったばかりなので参加しているアーティストが少ないが、ゆくゆくは日本人アーティストも加わって盛り上がりそうだ。

■楽曲検索などインターフェースの出来映えがいい

 iOSデバイス、iTunesともに「マイミュージック」のメニューからはApple Musicでチェックした音源と、iPhoneやPCなどローカル内の音楽ライブラリをひとまとめに管理できる。

 iOS版は従来からの「iPod」の音楽プレーヤー機能がここに統合された格好だ。楽曲はアルバムやアーティスト名、曲名などの条件でソートして並べ替えたり、従来通りの操作性で管理ができる。

 Apple Music内の楽曲検索は、メイン画面の右上に検索アイコンを配置。テキストボックスを選択すると人気順の検索ワードが表示されるほか、時計のアイコンをタップするとユーザーの検索履歴が表示される。文字を入力すると、予測変換機能によってアーティスト名の候補も並ぶ。

 さらにSiriの機能をオンにしておけば、SiriからApple Musicの楽曲を探して直接再生することもできるが、今のところApple Musicに収録されている楽曲数が少ないのでヒットする確立が低い。

 文字入力ベースで探した方が速いし精度も高そうだ。検索で見つけたお気に入りのアーティストは「FOLLOW」しておくと、ユーザーアカウントの「フォロー中」アーティストのリストに追加され「For You」のレコメンド内容にも反映される。

■音質は高品質も、消費する通信容量は?

 ストリーミング再生の「音質」についてはアップルが公式に発表しているものではないが、どうやらiTunes Storeで販売されている楽曲の最高品質と同じ、AAC形式でビットレートが256kbpsという内容であるようだ。iPhoneにヘッドホンをつないで聴いてみると、確かにサウンドの情報量が豊富で、ボーカルのきめ細かさや低域のパワーもガツンとくるような密度の濃いサウンドだ。

 良い音で楽しめるのは結構なことだが、しかしここで一つ気を付けておきたいことがある。256kbpsといえばストリーミング型の音楽配信としてはかなり音質が高く、つまりはそのぶん通信容量を消費するということだ。

 現時点では音質を低く設定して、通信容量を抑える設定項目もない。大手キャリアの通信プランで利用している場合は月額定量に従って使わないと速度制限がかかってしまう。毎日気持ちよく何時間もApple MusicをLTE/3Gオンリーで使っていると、比較的早めに上限に到達してしまうことも有り得るだろう。

 iOSの「ミュージック」アプリの場合、端末をWi-Fiに接続しないまま音楽再生を始めようとすると、Wi-Fiに接続して使うようにアラートが表示される。

 設定から「iTunes & App Store」でモバイルデータ通信再生をオンにすると、LTE/3Gでも聴けるようになるので、使用環境がWi-Fiオンリーに制限されているということはないのだが……。外出先で音楽を聴くときにはカフェなどの無線Wi-Fiスポットに接続して使うのが安心だが、これでは聴きたいときに楽しめる定額制音楽配信サービスの魅力が半減してしまう。

 これを乗り越える方法としては、例えばSIMロックフリーのiPhoneと“高速LTE使い放題”のSIMのプランを使う手はどうだろうか。

■オフライン再生の併用可。でもiPhoneで使う分にはあくまでオプション

 現在はNTTぷららやb-mobile、u-mobileなどのMVNOが使い放題のプランを提供している。既にそれぞれの組み合わせを使っているユーザーにとっては、Apple Musicをベストな音質で自由自在に楽しめる環境が整っているというわけだ。

 もちろん、Apple Musicのために、わざわざスマホと格安SIMを新調する必要はないと思うが、今後はモバイルで楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスや、自宅のレコーダーに録りためたテレビ番組を外出先でもインターネット経由で楽しめるようになるリモート視聴などエンタメコンテンツが充実してくる時代だ。

 Apple Music以外にも「AWA」や「LINE MUSIC」など魅力的な定額制の音楽配信サービスもスタートした。この機にスマホで楽しむエンタメ環境を充実させておくのも手かもしれない。

■通信容量を抑える「オフライン再生」も要チェック

 通信容量を抑えてApple Musicの楽曲を自由に聴くためには「オフライン再生」を選択する方法もある。iPhoneなどの本体ストレージにApple Musicの楽曲をダウンロードして聴く方法だ。これなら通信容量制限を気にする必要もない。

 操作方法は、気に入った楽曲やアルバムをいったん「マイミュージック」に登録後、メニューから「オフラインで再生可能にする」を選択。本体へのダウンロードがはじまる。ただ、察していただけると思うが、この方法ではiOSデバイスの本体ストレージが使われることになるので、気に入った楽曲を手当たり次第ダウンロードしていくわけにはいかない。

 あくまで通勤中、あるいは旅行でWi-Fiが使えない間にも音楽を聴くためのオプションとして捉えるべきだろう。秋からはSDカードによるストレージの拡張性にも富むAndroid端末でもApple Musicが使えるようになるので、大容量のSDカードを用意しておけば多少便利に感じられると思うが、恐らくはダウンロードした端末でしか再生はできないはずだ。

 「ミュージック」アプリやiTunesから、気に入った楽曲を友人にシェアできる機能も加わった。特に「ミュージック」アプリではメール/メッセージ/Twitter/Facebookのほかに、LINEやGmailからもシェアができる。ライバルのLINE MUSICほど、トークとの連携性は良くないが、それでもメッセージに貼られたリンクに飛ぶとApple Musicのコンテンツ情報に飛んで、相手にスムーズに聴いてもらえるようになっていたり、ある程度便利な仕組みになっている。

■これから流行る?Apple Musicの課題と期待

 筆者は7月1日のスタートから使い始めてまだ3日目なので、「Apple Musicはアリかナシか?」について、あまり結論めいたことをまだ言いたくないが、一つここまででサービスの課題と感じているのは「楽曲数」だ。

 数百万曲と言えば、ちょうど同時期にサービスを開始したAWAと並ぶカタログ数だが、実際のところは邦楽がAWAよりもかなり弱いように思う。洋楽しか聴かないという方にとってはあまり気にならないかもしれないが、そもそも新しい音楽と出会う機会が増やせることが定額制音楽サービスの魅力だとすれば、邦楽も含めて色んなジャンルの音楽がまんべんなく増えていくことが本当は理想的だ。

 でも、思い返せばiTunes Storeで音楽コンテンツのダウンロード販売が始まった当初も、楽曲の少なさが批判を浴びたものだが、今やiTunes Storeは邦楽ではサザンオールスターズ、洋楽はビートルズなど超メジャーどころの楽曲も販売され、音楽業界の牽引車にまで成長して感がある。

 Apple Musicにも成長を望みたいところだが、当面はアーリーアダプターの無料トライアル期間が終了する10月頭までに、どれだけ楽曲数を増やせるかが勝負所になるだろう。

 とはいえ、まずは定額制音楽サービスの醍醐味自体に触れたことのない方は、この機会に3ヶ月トライアルからApple Musicを遊んで感触を掴んでみるのがいいと思う。

 なお、「ミュージック」アプリのデフォルト設定では、3ヶ月のトライアル終了後に有料契約への「自動更新」が行われてしまう設定になっているので、使ってみてから続けるかどうかを判断したいと考えている方は、取りあえずこちらをオフにしておこう。

 設定方法は「ミュージック」アプリ内のユーザーアカウントから、「Apple IDを表示」を選び、購読の「管理」をタップ。「自動更新」をオフにする。それでは素敵な音楽とともに、良い週末をお過ごしいただきたい。

■偶然の出会い?手軽さ?“定額制”音楽配信サービスの魅力とは

 そもそも定額制の音楽配信サービスの何がいいのか? お気に入りの音楽を常時iPhoneに入れて、それを聴いていればいいじゃないかという意見もあるだろう。けれども、定額制音楽配信サービスの魅力は実際に使ってみると身に染みて感じられるようになる。

 膨大な楽曲カタログの中には自分の知らない名曲がたくさん隠れていて、それらを手軽に探せるところが“聴き放題”サービスの醍醐味だ。最近はCDショップに出かけて新しい作品を探す暇がないという人も多いと聞く。ネットショップだと、なかなかお目当ての曲以外は“ジャケ買い”するほど気分が盛り上がることもない。

 “聴き放題”で色んな楽曲がつまみ食いできるのなら、「お、これは!」と思える楽曲と出会うチャンスも広がる。もし本当に気に入った曲が見つかれば、CDなどを買って、しっかりとしたオーディオコンポなどを駆使して良い音で聴くのもアリだ。

 カセットテープ世代の方々には、すでに処分してしまったり、見つからなくなってしまったテープに入っていた懐かしの音源に、もう一度出会えるチャンスでもある。

 わざわざCDを買い直すまでもないなと思っていた中高生の頃に聞いていた音楽が、大人になって「こんな良い曲だったんだ」「この歌詞、今になって身につまされる」と再発見されることも多々あるはず。

 ほかにも、好きなアーティストのコンピレーションアルバムへの参加や、好きなアーティストへのトリビュート・カバー作品など、知らなかった関連作品に視野が広がる良さもある。

 以上は筆者が今のところまで音楽配信サービスを使ってみた実体験に基づく感想だ。使っている方々それぞれの発見や楽しみ方はこれからもどんどん多様化していくような気がしている。

まだ間に合う!! 「Apple Music」の導入方法&使い方を徹底解説!

《山本 敦@RBBTODAY》

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