【GARMIN vivoactive J インプレ前編】カスタム自在の万能型スマートウォッチ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【GARMIN vivoactive J インプレ前編】カスタム自在の万能型スマートウォッチ

新着 製品/用品
GARMIN vivoactive J
  • GARMIN vivoactive J
  • スクエアな本体が嫌でも目立つ。正直なところ、GARMINの他のランニングウォッチと比較しても質感はあまり高くない。軽量化にこだわったようだ。
  • 真横から見ると、その薄さがよく分かる。両サイドのボタンは50メートル防水にもかかわらす軽快な操作感だ。
  • 意外にも腕にピッタリとフィットし、3次曲面を多用したスポーツウォッチよりよほどつけ心地がいい。
  • 別売アクセサリーのベルトでイメージチェンジが出来る。交換に必要な工具までセットになっているので安心だ。
  • このようなレザーのベルトもある。これはかなり高級感が高い。
  • 交換作業は簡単ではあるが、慎重に行う必要があるだろう。このようにネジを外してベルトを取り外す。
  • 赤いベルトにすれば赤/黒のツートンカラーとなる。
ランニングウォッチやサイクルコンピューターのトップブランドであるGARMINから新コンセプトの『vivoactive J』が発売された。比較的に低価格でありながら、ウォーク、ラン、バイク、スイムなどあらゆる運動を計測記録してくれる万能型のスマートウォッチだ。


◆コンパクトボディにあらゆる機能を凝縮

本機は大型のディスプレイを搭載した腕時計型のフィットネスデバイスだ。最初に言ってしまうと、このボディを一目見れば誰でも間違いなく『Apple Watch』を思い出すだろう。実際、本機は機能的にもApple Watchと似た部分は多いが、それについては後編で述べるとし、まずはニュートラルに本機の機能や使い心地を紹介していきたい。

本体のサイズは縦44mm・横39mm・厚み8mmで、バンドを含む重量は38g。ただし、公表されているサイズはボタンなどの出っ張りを除いたもののようで、それを含めると縦50mm、横42mm程度となる。ディスプレイは横29mm・縦21mmの長方形で、全体がタッチパネルになっている。本体両横にある2個のボタンとタッチパネルで、すべての操作を行う仕様だ。

バッテリーは充電式リチウム電池を内蔵しており、GPS機能を使用しない時計モードでは3週間のライフがある。GPSモードでは約9時間だ。また、本体は50m完全防水になっており、水泳などウォータースポーツにも対応する。動作温度範囲もマイナス20度~60度とワイドで、華奢に見える外観に似合わず、頑健なヘビーデューティ仕様といえるだろう。

ハードウエアとしては、この小さなボディにGPS、Gセンサー、Bluetooth、ANT+などを搭載しており、これらを駆使するソフトウエアによって、ラン、ウォーク、バイク、スイム、ゴルフといったスポーツの計測や記録に対応。さらに、歩数など日常の運動量を計測するアクティビティトラッカー(活動量計)としての機能も内蔵している。

フィットネス用の無線接続規格であるANT+で接続できるアクセサリーは、心拍を計測するハートレートセンサー、バイク用のスピード/ケイデンスセンサー、ラン用のフットポッド、登山やトレッキングで役立つ温度センサーなどだ。最近のGARMIN製品のご多分に漏れず、アクションカメラVIRBとANT+で接続してリモコン操作をする機能も備える。


◆これまでになく高いカスタマイズ性で誰でも似合う

本機のベルトは交換できるようになっていて、標準の黒いベルトの他に、白、赤、ピンクの色違いのベルトが別売アクセサリーとして用意されている。さらに、高級感の高いレザーのベルトもあり、こちらは黒と白がラインアップされている。アウトドアイメージ丸出しのフィットネスウォッチではフォーマルな場に似合わないが、本機はレザーのベルトに変えることでどんなシチュエーションでも違和感なく使えるのだ。

ベルトの脱着には特殊なドライバーが必要だが、交換用のベルトを購入すると付属している。交換作業はさっと簡単に、というほど簡単ではないが、特に器用な人でなくてもできる難易度だといえるだろう。

また、表示内容や機能をカスタマイズする「ConnectIQ」という機能に初めて対応した。例えば、ウォッチフェイスをネットからダウンロードすることにより、デジタルの時刻表示をアナログ風に変更できる。しかも、ConnectIQは見た目を変更するだけの単純なカスタマイズ機能ではない。現時点で規模は小さいながらも、スタイルとしてはiPhoneのAppストアやAndroidのGoogle Playと同じものだ。つまり、クラウドに用意されているアプリをインストールすることで、新たに機能を追加することができる。

また、初期状態の本機にある機能もアプリとしてプリインストールされている。したがって、ゴルフをしない人はゴルフのプレーを計測、記録する機能を、泳がない人はスイムの機能を、削除してしまうこともできる。

アプリはまだ少ないながらも、新しい機能を追加する「アプリケーション」、表示されるデータの形式を追加できる「データフィールド」、時計表示のデザインを変えられる「ウォッチフェイス」、そして「ウィジェット」がある。日本ではConnectIQに対応したのは本機が初めてだが、海外ではすでに数機種のランニングウォッチが対応しているようで、アプリはそれらの機種と共用できるものが多い。つまり利用できるユーザー数はすでにかなり多いということで、アプリ数もそれに応じて増加することが期待できる。


◆日常使いにはやや大きめ?落ち着いた表示品質は優秀

今回はアクティビティトラッカーとしての本機の使い心地を中心に、実際に装着してテストしてみた。まず、いかにも悪そうに見えるつけ心地について。従来のスポーツウォッチなどは、つけ心地が良くなるように工夫を重ねた丸みのある形状をしているものだ。筆者は腕が細いこともあって、何の工夫もないように見える本機の単純な形状には不安を抱いていた。しかし、実際に装着してみると、意外と悪くない。

まっ平らな本体は、意外と腕にフィットする。本機は本体とベルトのジョイントの自由度が高く、角度が自由になるのだが、それがいいようだ。筆者の場合は本体から直角にベルトが突き出ているような形状になるが、そのおかげで隙間なくフィットする。従来のスポーツウォッチはベルトが可動する角度を制限しているものが多いが、そのせいで腕との間に隙間ができてしまうことがある。本機のような単純な形状の方が付け心地がいいというのは目からうろこだった。

ただ、まっ平らで大きめな本体はあちこちにぶつけたり引っ掛けたりしやすく、すぐに傷だらけになるのではないかと気になってしまう。スポーツをする時だけつけるのならいいのだが、本機は睡眠時の動きまで計測できるなど、24時間つけっぱなしにする前提になっている。それを考えると、本体はもう少しコンパクトにしてほしい。

ディスプレイの表示はまるで紙に印刷してあるかのようなくっきりとした画質で非常に高級感がある。それでいて強い光に強く、直射日光の降り注ぐ屋外でも全く問題なく表示を読み取ることができる。反対に暗めの場所には弱いようで、表示が読めなくてじれったい思いをすることが何度かあった。

例えば仰向けに寝転がって本機の表示を見るような逆光の状況では、本機の表示は全く見えない。本やスマホは問題なく見える程度の逆光でもそうなってしまうのはやや意外だった。これは明るい屋外での視認性を重視した代償であり、バックライトを点ければ解決できることではある。本機がスポーツをするときだけ使うものであれば、こんなことは問題にならない。というより、こんな弱点があることに気付きもしないだろう。しかし、24時間つけっぱなしにする前提のモデルなので、やはり気になってしまう。


◆毎日歩くモチベーションになり、スマートウォッチとしても便利

本機はただ腕につけていれば、毎日の日常生活での運動量を計測してくれる。つまり、GARMINのフィットネスバンドである『vivofit』や『vivofit2』と同等の機能を持っているのだ。普段は時計の画面だが、右にスライドするとライフログページに切り替わって、その時のステップ数(歩数)、歩いた距離、消費カロリー、目標のステップ数までの進捗状況、そしてムーブバーが表示される。

vivofitではディスプレイが小さいので1画面で1データしか表示されないが、本機では全てのデータが1画面で表示されるので閲覧性に優れ、非常に見やすい。ステップ数のグラフ表示も直感的に分かりやすいし、歩くためのモチベーションになる。ちなみに、ムーブバーとは赤い棒グラフで、運動していない時間が一定レベルを超えるとバーが延びて運動するように促してくれる。また、バーが伸びるときにブルっとバイブで知らせてくれる。vivofitにはバイブ機能はないので、表示の見やすさとともに、この点でもvivofitを上回っているといっていいだろう。

画面をさらに右にスライドさせると、天気情報ページ、ミュージックコントロールページ、通知ページ、カレンダーページが次々と現れる。これらのページはいずれもスマートフォンとBluetoothで接続した時に使える機能で、本機がスマートウォッチとしても多くの機能を持っていることが分かる。

人によって違うと思うが、筆者にとって便利なのは通知ページとカレンダーページだ。メールを受信すると自動的に通知ページに切り替わり、バイブでそれを知らせてくれる通知機能は、メールの内容までも表示してくれる。おかげでいちいち鞄からスマートフォンを取り出す頻度が減った。自動車の運転中でも慌てること無くメールの内容を確認できるのは非常に助かる。カレンダーページはスケジュール管理ページというべきで、スマートフォンに登録しておいたスケジュールが近づくと知らせてくれる。

【GARMIN vivoactive J インプレ前編】Apple Watchに似てApple Watchに非ず? カスタム自在の万能型スマートウォッチ

《山田正昭@レスポンス》

編集部おすすめの記事

page top