チェコのロマン・クロイツィゲル(ティンコフ・サクソ)のバイオロジカルパスポートに関するドーピング容疑について、WADA(世界アンチドーピング機構)とUCI(国際自転車競技連合)が6月5日に上訴を取り下げた。
バイオロジカルパスポートは、薬物検査ではなく血液の数値異常をもとにドーピング違反を発見するシステム。クロイツィゲルはアスタナ在籍時代のバイオロジカルパスポートの数値異常により、ドーピングを疑われていた。
昨年、地元のチェコ五輪委員会はクロイツィゲルを無罪と裁定したが、WADAとUCIはこれを受け入れず、CAS(スポーツ仲裁委員会)に上訴していた。
しかし、WADAとUCIは、新たに入手した情報の有効性に基づき、適用できるUCIアンチドーピング規則とWADAアスリートバイオロジカルパスポート(ABP)運用ガイドラインに従い、現段階でこの件をさらに進展させる根拠がないとの結論に達した。
この結果、WADAとUCIは上訴を取り下げ、クロイツィゲルのドーピング容疑は晴れた。
なお、ABPはスイス・ローザンヌにある独立組織のアスリートパスポート・マネージメントユニット(APMU)で管理され、ABPの案件は独立した専門委員会の意見に基づいて起訴される。
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