親子のコミュニケーションが深まる未来シューズ「FUMM」発表 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

親子のコミュニケーションが深まる未来シューズ「FUMM」発表

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「でんしゃでしゅっぱつしんこう」での子どもの動きに、音だけでなく、スマホの画面も反応
  • 「でんしゃでしゅっぱつしんこう」での子どもの動きに、音だけでなく、スマホの画面も反応
  • au未来研究所のコンセプトモデル「FUUM」
  • KDDI宣伝部 担当部長 塚本陽一氏
  • ニューバランスジャパン ブランドコミュニケーションチーム ウェルネスカテゴリー リーダー 小澤真琴氏
  • 参加研究員であるハッカソンのメンバー。(左から)まさきち氏、まどか氏、つの氏、chikaike氏、Yazoo氏
  • キッズタレントの阿由葉さら紗ちゃん
  • 母親でもあるタレントの藤本美貴氏
  • au未来研究所
 3月30日、代官山T-SITE GARDEN GALLERYにおいて、「au未来研究所」コンセプトモデル「FUMM(フーム)」記者発表会が行われた。当日は、スマホとシューズの内蔵センサーが連動するウエアラブルデバイスが発表され、発表会後に親子向け体験会が行われた。

 当日の発表会は、KDDI宣伝部担当部長塚本陽一氏、ニューバランスジャパン ブランドコミュニケーションチーム ウェルネスカテゴリー リーダー 小澤真琴氏、ゲストタレントの藤本美貴氏、ハッカソンメンバー(商品開発メンバー)5名などが登壇し商品説明を行う第1部と、実際に「FUMM」を利用した体験会の第2部で構成された。

 第1部では、KDDI宣伝部担当部長の塚本陽一氏が登壇し、「au未来研究所」について簡単な説明を行った。塚本氏によると、au未来研究所は2014年に発足して以来、「スマホの次を発明する」をテーマに掲げオンライン上での活動を続けてきたという。au未来研究所メンバーのひとりであるニューバランスジャパンの小澤真琴氏は、通信キャリアとの共創でシューズをウエアラブルデバイス化させるのはニューバランスグループにおいて世界初の試みと発表した。

 発表された「FUMM」は、シューズ型のウエアラブル端末である。同商品は、プログラマやクリエイターなど複数のメンバーが共同作業をすることにより、ソフトウエアやサービスの開発などを目指すハッカソンの中で生み出されたもの。「カラー」「感圧」「加速度」「気圧」の4種のセンサーを組み合わせることで「さまざまな楽しさを提供し、親子のコミュニケーションを深める」よう工夫されているという。

 FUMMに搭載されているセンサーはそれぞれ、ソールの土踏まず部分に搭載され、地面の色を検知するLEDライト付き「カラーセンサー」、中敷き内のつま先とかかとに搭載され、重心を検知することで着地しているか、足が浮いているかどうかなどを判定する「感圧センサー」、ベルクロ(面ファスナー)に搭載され、歩いているか、走っているかを検知する「加速度センサー」や「気圧センサー」の4種類。

 ニューバランスが留意したのは、「FUMM」は子どもの動きに合わせて反応するこの4種類のセンサーを搭載したウエアラブルデバイスであると同時に、子どもの動きやすさを損なわず、履き心地に違和感を生じないようにした点であるという。実際に、デモンストレーションとしてFUMMを履いた子どもが歩くと、ステップに反応しBluetoothで信号が送られたスマートフォンから動物の鳴き声が発せられ、会場から驚きの声があがった。

 登壇したタレントの藤本美貴氏は興味津々のようすで、「抱っこをしてほしくて母親から離れたがらないことも少なくないので、歩く動きに合わせ、スマホと連動して動物の鳴き声がするなど、歩くことをより楽しめるシューズがあれば、子どもも喜ぶし、親子のコミュニケーションもさらに深まりそう」と感想を述べた。

 第2部では、「どうぶつジャンプ」コーナー、「でんしゃでしゅっぱつしんこう」コーナーが設けられ、親子向け体験会が行われた。「どうぶつジャンプ」コーナーではゾウ、うま、ライオン、ひつじ、ねこ、カエルのシルエットがそれぞれ異なる色で描かれ、その色を子どもが踏む度に「カラーセンサー」が反応し、保護者がもつスマホからそれぞれの動物の鳴き声がし、会場は楽しくにぎやかな雰囲気になった。

 また、「でんしゃでしゅっぱつしんこう」では、子どもが汽車をまねる動作をしながら線路が描かれた床を走ると、「加圧センサー」や「カラーセンサー」によって汽車が走る音が鳴った。途中、2か所設置された駅を通過すると、汽車から電車の走行音に変わったり、走る速度に応じて走行音も変わるなど、子どもたちが「新しい電車ごっこ」に興じるようすが見られた。

 「いつものお散歩が冒険に」というコンセプトに基づいてつくられたFUMMについて、塚本氏は「このシューズを履くことで、いつもの道がちょっとした冒険に感じられ、アミューズメントのような楽しさを生まれるのではないかと思います」と発表会を締めくくった。

 当日発表されたFUMMコンセプトモデルは、価格、発売日ともに未定。会場や藤本氏からは商品化を望む声があがったが、現状では「反響があれば前向きに検討する」とのこと。シューズに内蔵されたバッテリーの充電や防水対応の改善など、課題もあるようだ。

 子どもの想像力を刺激し、親子で楽しめるコミュニケーションツールでもあるFUMM。センサーにより、動きを感知してさまざまな反応を引き起こせるだけでなく、GPSとも連動させることにより、子どもの安全性を高めることもできるだろう。コミュニケーションを深めて楽しさを提供することに加え、目の不自由な方の歩行をサポートするなど、将来的には多岐にわたる可能性を秘めていることが塚本氏の発言から感じられた。
《大倉恭弘@リセマム》

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