世界と日本の自転車競技人気、温度差のなぜ「潜在需要を活かしきれていない」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

世界と日本の自転車競技人気、温度差のなぜ「潜在需要を活かしきれていない」

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JrIDE PROJECT(ジェイ・ライド・プロジェクト)発足発表会見
  • JrIDE PROJECT(ジェイ・ライド・プロジェクト)発足発表会見
JrIDE PROJECT(ジェイ・ライド・プロジェクト)実行委員でのディスカッションがプロジェクト発足発表会内で行われた。

実行委員の栗村修さん、ブラッキー中島さん、委員であり元プロロード選手の山本雅道さんと、その奥様で元女子バレーボール日本代表の益子直美さんがシンポジウム内で各々の意見を述べた。

自転車に対するアプローチとして、少年時代はサッカーをしていた栗村さん。たまたま観たツールドフランスのテレビ放送でロードレースの虜になり単身でフランスに渡った。

山本さんは自転車に興味が芽生えた中高生時代に、仲間やショップなどの環境に恵まれ、具体的に自転車競技に将来の夢を持ったという。

入り口は違うが2人の共通の意見はマイナースポーツならではの苦労と、サイクルスポーツに対する国内とヨーロッパでの認知度の違いだった。

国内でもメジャースポーツといっていいバレーボール出身の益子さんは、全日本時代の経験を、「辛かったが選手としては極めて恵まれた環境にあった」という。基本的に海外活動を単身で行ってきた栗村さん。山本さんは益子さんの経験談を元に「海外でも選手がストレス無く活動出来る体制が理想」と考えており、JrIDE PROJECT はそのための自転車競技、自転車文化の普及のプロジェクトでもあるとした。

益子さんはサイクルスポーツを「年齢、性別に関係なく楽しめるスポーツ」と捉えており引退後は山本さんとサイクルスポーツの普及に努めている。

山本さんは「自転車を学校教育、生涯スポーツのひとつとして他の競技と共に取り上げられれば必ず競技人口は増える。子供はみんな自転車が好きで、誰しもその経験はあるはず」と説いた。

自転車はごく身近なものだが、競技としては情報が少なく、山本さんの運営するサイクルショップにもやりたくてもわからないという中高生が来るという。「潜在的な需要はあるが、それを活かしきれていないのが現状」(山本さん)であると考えている。

プロジェクトはサイクルスポーツと自転車文化の普及を軸に活動していくが、同じ志を持つ団体との連携、横の繋がりを作り、自転車業界全体に広がっていく事が目標とし、多くの子供たちに自転車の魅力を知ってもらうため、興味を持ち、将来の夢をサポートする方向で活動していく。

当面はこれから自転車を知る「初めてのスポーツ自転車教室」、自転車に興味を持ち始めた子のための「ビギナーのためのサーキット講習会」、競技を目指す子のための「新人発掘トライアウト」を行っていく予定だ。
《高橋智宏》

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