アジア人初のISS船長、若田宇宙飛行士が無事帰還…「人が自然に調和するようなチームに」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

アジア人初のISS船長、若田宇宙飛行士が無事帰還…「人が自然に調和するようなチームに」

ライフ 社会
若田光一氏
  • 若田光一氏
  • ISSでの一日
  • 窓越しに写っているのは燃料、食料などをはこぶ補給船。若田氏はこれをISSにとりつける任務も負う。
  • アジア人初のISS船長、若田宇宙飛行士が無事帰還…「人が自然に調和するようなチームに」
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5月14日、宇宙飛行士3名(ミハエル・チューリン氏、若田光一氏、リチャード・マストラキオ氏)が宇宙での188日間の滞在を終え、地球に帰還した。この滞在で船長(コマンダー)をつとめたのは若田光一氏。アジア人がこの役を担ったのは初めてだ。

地球帰還の瞬間を見守るために、日本科学未来館ではパブリックビューイングイベントが開催され、3名の宇宙飛行士を乗せた「ソユーズ宇宙船」(のうち、地上帰還時に分離された部分)が地上に落ちてくる様子を来場者が見届けた。

宇宙船を大気圏の手前で分離し、地上に落とす手法はソユーズ宇宙船の特徴で、地上についたときにはモジュール表面が黒コゲになっているのが映像で見てとれる。「乱暴な方法とおもわれるかもしれないが、もう40年使われている方法」(日本科学未来館 科学コミュニケーター 本田隆行氏)とのことで、信頼性と安全性に優れた方法と言えそうだ。


◆それぞれの国の祝日を休暇に…若田氏「自然に周りの人が調和するようなチームに」

半年間に及ぶ宇宙での滞在では、3名それぞれの国の祝日を休みにする等、各人にとり自由な過ごし方ができるような工夫が凝らされていたという。

またアジア人初のISS長期ミッション船長として、若田氏は“和”を大切にしたい、と語っていた。今回の第39次長期滞在のミッションロゴにも“和”の文字が入れられ、「できるだけ自然に、周りの人が調和するようなチームになるように」という思いが込められているという(本田氏)。


◆3つの「日本人初」と1つの「アジア人初」を達成

同イベントでは宇宙飛行士らの帰還までの間、若田氏が宇宙飛行士としてどのような点で優れているのか、またこれまでにどのような功績を積んできたのか、本田氏が解説した。

若田氏は1963年埼玉県大宮市(現さいたま市)に生まれ、浦和高校、九州大学・大学院を卒業後、一度日本航空での勤務を経て宇宙飛行士へと転身。若田氏の宇宙飛行士としての特筆すべき強みとして、本田氏は「スペースシャトルのロボットアームの操縦に長けている。NASAでもロボットアーム操縦を教えているほどに。これは日本人の細やかさが高く評価されている一例なのでは」と説明する。

また、若田氏は現在までに3つの“日本人初”さらに1つの“アジア人初”を達成しているという。

ISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在したこと。NASA管理職である「ISS管理部長」を経験したこと。NEEMO(NASA極限環境ミッション運用訓練)に船長として参加したこと。これら3つの事柄はすべて日本人はじめてで、今回の第39次長期滞在でISS長期ミッションの船長に就任したことは、日本人のみならずアジア人で初めてだ。

また、若田氏に続く今後滞在の宇宙飛行士には、油井亀美也氏、大西卓哉氏が予定されているという。油井亀美也氏は2015年月から約半年間(第44~45次長期滞在)。大西卓哉氏は2016年6月から約半年間(第48~49次長期滞在)。今後の日本人宇宙飛行士の活躍が楽しみだ。
《北原 梨津子@レスポンス》

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