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【THE REAL】本田圭佑がACミランで乗り越えるべき最大の逆風…日本代表でも生き残っていくために

オピニオン コラム
本田圭佑 参考画像(2016年9月11日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年9月11日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年8月10日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年9月11日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年8月10日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年9月1日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年8月10日)
イタリアの報道によれば、今夏にはリーガ・エスパニョーラのセルタ、プレミアリーグのサンダーランドなどが本田の獲得へ向けて接触してきたが、本格的な交渉には至らなかったという。

ミラン残留を望んだ本田の意向に加えて、ミランが本田の違約金を1000万ユーロ(約11億5000万円)以上に設定していることも、他のクラブが二の足を踏む一因になったとイタリアのメディアは伝えている。

■“飼い殺し”になりかねない

背番号「10」を託された本田のユニフォームは、クラブ内でナンバーワンの売り上げを誇っている。マーケティング面における貢献度は大きいだけに、本田を手放すとしても相応の見返りはほしい。

本田圭佑 (c) Getty Images

クラブ側の営業的な思惑も絡んだなかで、迎えたミランでの4シーズン目。実質的な“飼い殺し”になりかねない状況に危機感を覚えたのか。どのようにアプローチする方法を変えるのか、と問われた本田はこんな言葉を残してもいる。

「基本的にはイタリア語でコミュニケーションを取らないので。取らないというのはイタリア語で取れないので、僕のほうから寄っていくことはあまりないんですけど…たとえばちょっとだけしゃべれるモントリーヴォとかを使って、コミュニケーションを取るようなことをするとか。まだそう思うところまでいっていないし、多分しないかもしれないんですけど、そういうこともちょっと考えようかなと」

モントリーヴォを介してコミュニケーションを取ろうと思った相手は、間違いなくモンテッラ監督だろう。直後に「しないかもしれない」と続けるあたりに、本田が胸中に抱く強烈なプライドが見え隠れする。

もっとも、所属クラブで試合に出られない状況が、選手のパフォーマンスに与える悪影響は計り知れないほど大きい。よく指摘される試合勘の欠如はもちろん、試合におけるスタミナも失われていく。いくらレベルの高い環境で日々の練習に励んでも、試合で必要とされるスタミナはまた別物だからだ。

■日本代表で7試合連続ゴール

UAE代表とのアジア最終予選初戦へ。「4‐2‐3‐1」の「3」の右での先発が予想された本田は、ミランで試合に出ていない事実に対する不安を、不敵な笑みを浮かべながら一蹴している。

「それも何回か質問を受けているんですけど、問題なしとしなければ試合には出るべきではないし、心身ともに準備はできているつもりではいるので。前線で出る以上はもちろん結果を求められるので、得点に絡む働きをしたいとは思っていますけど」

UAE代表戦では言葉通りに、前半11分にMF清武弘嗣(セビージャ)が蹴った直接フリーキックに、ファーサイドに陣取っていた本田が豪快なヘディングを一閃。2次予選から通算して7試合連続となるゴールをマークした。

しかし、結果を残したいという思いが強すぎたのか。時間の経過とともに右サイドを離れ、中央でプレーするケースが増えてくる。必然的にハリルジャパンの前線には“渋滞”が引き起こされ、追加点を奪えない。

本田圭佑 (c) Getty Images

UAE代表にまさかの逆転を許し、最悪となる黒星スタートを強いられた直後の取材エリア。本田は「まったく想定していなかった結果」と無念の表情を浮かべたが、舞台を敵地バンコクに移した6日のタイ代表との第2戦でも。勝利への喜びと同時に不完全燃焼の思いをも募らせている。

その象徴的なシーンが、日本の1点リードで迎えた前半24分となる。左サイドで粘り、相手を振り切ったFW浅野拓磨(シュツットガルト)が、絶妙のクロスをゴール前に折り返す。

ファーサイドにフリーの状態で詰めながら、利き足の左足を合わせようとしていたのは本田。誰もが抱いたゴールへの予感は、次の瞬間、まさかの空振りとともに弾け飛んでしまった。

ボールが不規則な弾み方をした跡もない。本田自身も首を傾げるしかなかったが、試合勘の衰えが一因だったと考えれば合点がいく。動きにも切れ味を欠いていった本田は無得点のまま、後半40分にFW小林悠(川崎フロンターレ)に代わってベンチへ下がっている。

【次ページ 日本代表に指定席はない】
《藤江直人》

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