スポーツライブ中継とVRの関係、スマホキャリアの覇権争い | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

スポーツライブ中継とVRの関係、スマホキャリアの覇権争い

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リオオリンピック開幕直前、選手たちは次々に現地入りしている。東京オリンピックまで4年。東京までの4年で一体何ができるだろうか。

オリンピック・パラリンピックが世界平和の祭典として、近代オリンピックがスタートしたのは1896年アテネ。それから124年を経て、2020年東京五輪が予定されている。

選手やスタッフという立場でオリンピック、パラリンピックに密接に関わる人は、ほんのわずかであり、多くの人は観客、視聴者として、また東京都民は地元民として、関わりを持っていくことになる。

エンブレムにはじまり、競技場を含む予算の問題、組織の問題など課題が山積するなかで、スポーツのビジネス的側面も、2020年に向けて大きくうねりを見せている。

◆スポーツライブ配信、テレビ局には脅威か

何度か本誌でも扱ってきた、スポーツライブサービス。スマートフォンのインフラ化により、そのインフラにのせ、利用者を引き寄せるコンテンツとして、スポーツに注目が集まっている。

スポーツは権利ビジネスであり、例えば五輪は電通が、プロ野球は保有企業などが、コンテンツの権利を所有し、権利=コンテンツを再販していく。各コンテンツのブランド構築にあたっては、歴史やこれまでの名場面が寄与、現在の価値を作り上げた。

ソフトバンクは、ソフトバンクホークスを所有する国内企業の雄。ご存知の通り、携帯のキャリアであり、このたび同社傘下のスポーツナビで、ライブサービスを展開。ソフトバンクユーザーなら月額500円、それ以外のユーザーは3000円という価格で閲覧可能、ユーザー確保につなげる。

ソフトバンクはバスケットボールの国内新リーグ「Bリーグ」のメインスポンサーも務める。スポーツコンテンツの権利を取得し、課金モデルでユーザーの囲い込みにつなげる。

この市場に新たに参入してきたのが、NTTグループと英パフォームの連合。両社は連携し、Jリーグの放映権利を10年分、2100億円で獲得した。国内ではプロ野球に並ぶスポーツの人気コンテンツだけに、NTTグループ連合がJリーグの放映権を取得したことは興味深い。

これまで、Jリーグの放映権はスカパーが持っていたが、スカパーが支払ってきた金額を大きく超える額で、放映権を取得した格好だ。

今後は、ソフトバンク、NTTに続くKDDIの動向、さらには大手キャリア以外の第三者による権利取得と再販ビジネス、そこから派生する新事業の展開が過熱しそうだ。

◆スポーツとVRの可能性

スポーツのライブという強力なコンテンツは、誰が権利を持ち、どのインフラで展開され、収益モデルがどうなるかという面で、勝者が確定していないにせよ、ビッグプレイヤーの巨大な戦いになることがすでに明らかだ。携帯のキャリアが次々参入し、すでにレッドオーシャンとも言える。ここに付随してもう一つ、見せ方という差別化のポイントがある。

生中継といえば、テレビの画面が思い起こされ、その延長でスマホの画面にて中継が展開されることは、想像しやすい。この見せ方に加えて、バーチャルリアリティという見せ方に注目があつまる。

市場調査会社TrendForceの発表によると、VR関連の世界市場は2020年までに8兆円規模になると予測。スポーツに限らず、ゲームや音楽といったコンテンツ面と、ヘッドセットの普及で、金額は膨らむとみられている。

しかし、冷静になって考えてみるとヘッドセットをつけて本当にVRを楽しむことが浸透するのか、視覚と聴覚だけでなく、触覚、嗅覚、味覚への広まりなどをいかに実現するか、などの課題はある。国内でいえば、スマートフォンのように、ガラケー市場が完成されたうえにリプレイスされる、というような浸透ステップが現実的ではある。

未知なるVR市場の覇権を握らんとする、スポーツライブ配信事業者やその関連企業は、すでにある程度成功への感触を得ているようだ。

一方で、テレビや放送局といった権利を保有していないメディアは、高騰したスポーツ中継の放映料を支払わねばならず、テレビで扱われるスポーツ中継は、減少するかもしれない。

こうなると、ただでさえファーストスクリーンはすでにスマホに移り変わっているタイミングであり、VRなどの拡張性も含め、スマホでコンテンツを視聴する文化はさらに加速していきそうだ。

インターネット界隈では、何年か前に「動画元年」と言われ、2016年は「VR元年」と報じられることが少なくない。「元年」と修飾されることの背景には、ビジネスモデルの構築にめどが立ちそうだ、というニュアンスが含まれているものだが、VR界隈でもすでに放映権を中心とした伝統的な権利ビジネスが動きを見せているということだろう。
《編集部》

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